プロテインは腎臓に悪影響?飲まない方がいい?

「プロテインは腎臓に悪いって本当? 飲まない方がいいんでしょうか?」

最近、このような声を耳にすることが増えてきました。

ネット上でも、プロテインが腎臓に悪影響を及ぼすという情報を見かけることがありますよね。

特に、ダイエットや筋トレをしている方にとっては、プロテインの摂取が体にどんな影響を与えるのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「プロテインは本当に腎臓に悪いのか?」という疑問に対して、科学的な根拠に基づいて分かりやすく解説していきます。

プロテインと腎臓の関係

プロテインと腎臓の関係について、分かりやすく解説していきます。

そもそもプロテインってなに?

「プロテイン」という言葉を聞くと、マッチョな人が筋トレ後にシェイカーをシャカシャカ振りながら飲んでいるプロテインドリンクを思い浮かべるかもしれません。

そのイメージから、「プロテインって筋肉増強剤でしょ?」「体に悪い薬なんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、実際には「プロテイン」とは「タンパク質」のことです。

タンパク質(プロテイン)は、私たちの体に必要な栄養素で、肉や魚、豆類、乳製品などの食品に含まれています。

つまり、プロテインドリンクも、さまざまな食品に含まれているタンパク質と同じ栄養素。

筋肉増強剤でもなければ、薬でもありません!

プロテインの役割

プロテイン(タンパク質)は、体にとって非常に重要な役割を果たしています。

  • 筋肉の修復と成長
  • エネルギーの供給
  • ホルモンや酵素の生成

    これらの働きを支えているのが、タンパク質なのです。

    腎臓の役割

    腎臓は、血液中の老廃物や余分な水分を取り除き、尿として排出する重要な役割を果たしています。

    また、血圧のコントロールなど、健康を維持するために欠かせない機能も持っています。

    プロテインを摂取すると腎臓に負担がかかる?

    プロテインを摂取すると、腎臓がそれを処理し、不要な物質を尿として排出します。

    この働きから、「プロテインは腎臓の負担になる」と言われることがありますが、実際はどうなのでしょうか?

    結論から言えば、健康な腎臓を持っている人が適量のプロテインを摂取する場合、腎臓に大きな負担をかけることはありません。

    ただし、腎疾患や腎機能に問題がある人にとっては、高タンパク質の食事が腎臓に負担をかける可能性があるため、注意が必要です。

    根拠となる研究結果

    プロテイン(タンパク質)が腎臓に与える影響について、これまで多くの研究が行われてきました。

    ここでは、最新の研究結果をもとに、プロテインと腎臓の関係について分かりやすく解説します。

    高タンパク質食と腎臓機能の研究

    「高タンパク質の食事は腎臓に悪影響を及ぼすのか?」という疑問に答えるため、最近の研究でさまざまな調査結果がまとめられました。

    この研究では、以下の3つの食事パターンを比較しました。

    • 高タンパク質食(肉や魚、プロテインドリンクを多く摂る食事)
    • 普通のタンパク質量の食事
    • 低タンパク質食

    その結果、健康な成人においては、高タンパク質食が腎臓の機能に大きな影響を与えないことがわかりました。

    研究結果のポイント

    健康な成人の場合: 健康な腎臓を持っている人が高タンパク質食を摂っても、腎臓の機能に大きな悪影響は見られませんでした。つまり、普通にプロテインを摂る程度では、腎臓にとってそれほどの負担にはならないということです。

    腎臓に問題がある場合: ただし、腎臓に問題がある人や腎疾患を持つ人の場合、高タンパク質の食事が腎臓に負担をかける可能性があるため、注意が必要です。不安な人は、医師に相談しながら食事を管理することが重要です。

    プロテイン摂取量の目安

    プロテイン(タンパク質)は、健康な体を維持するために欠かせない栄養素です。

    では、具体的にどのくらいの量を摂取すれば良いのでしょうか?

    女性なら一日に体重1kgあたり1〜1.5gが目安。

    この量を食事で摂ることが難しければ、不足分をプロテインドリンクで補うのもありですね。

    女性が一日に必要なタンパク質について、以下の記事で詳しく解説しています。

    ダイエットする女性が一日に必要なタンパク質

    ダイエットするなら栄養バランスがとても重要です。 特にタンパク質はダイエット結果に大きな影響を与えるので、不足しないように適量を摂る必要があります。 とはいえ、…

    まとめ

    今回は「プロテインは腎臓に悪影響を与えるのか?」という疑問について、わかりやすく解説しました。

    プロテイン、つまりタンパク質は、私たちの体にとても大切な栄養素です。

    筋肉の修復や成長、エネルギーの供給など、体のさまざまな機能をサポートしています。

    プロテインドリンクも、普段の食事に含まれているタンパク質と同じ栄養素であり、特別な「筋肉増強剤」や「薬」ではありません。

    健康な腎臓を持っている人が、普通にプロテインを摂取する分には、特に心配する必要はありません。

    最近の研究でも、高タンパク質の食事が健康な成人の腎臓機能に大きな影響を与えないことがわかっています。

    ただし、腎臓に問題がある方や腎疾患を持っている方は、高タンパク質の食事が腎臓に負担をかけることがあるので、注意が必要です。

    そういった場合は、医師と相談しながら食事を管理するのが大切です。 

    参考

    Devries, M. C., Sithamparapillai, A., Brimble, K. S., Banfield, L., Morton, R. W., & Phillips, S. M. (2018). Changes in Kidney Function Do Not Differ between Healthy Adults Consuming Higher- Compared with Lower- or Normal-Protein Diets: A Systematic Review and Meta-Analysis. The Journal of Nutrition, 148(11), 1760–1775. 

    この記事を書いた人

    砂川 幸也(すながわ ゆきや)
    砂川 幸也(すながわ ゆきや)パーソナルトレーナー
    指導歴19年。
    これまで延べ4万人以上を指導した経験をもとに、週1回のトレーニングで結果を出す独自のダイエットプログラムを開発。
    詳しいプロフィール