脂肪はどこから落ちる?
ダイエットで多くの人が気になるのは、「どこから脂肪が落ちていくか?」「どこの脂肪が落ちにくいのか?」ではないでしょうか。
脂肪が落ちるメカニズムは少し複雑で、一般的なイメージとは異なることも多いかもしれません。
そこで、この記事では、どこから脂肪が落ちていくのか、どこの脂肪が落ちやすい(または落ちにくい)のかをわかりやすく解説していきます。
脂肪が増えたり減ったりするメカニズム
はじめに、脂肪が増えるメカニズムと脂肪が減るメカニズムを解説していきます。
脂肪が増えるメカニズム
食べ物を食べると消化吸収されて全身を巡り、必要な場所に届けられます。
全身へ届けた後に余ったものは脂肪となって体に蓄積します。
このステップをまとめると以下の通り。
1.食べ物が消化吸収される
2.全身を巡って必要な場所に届けられる
3.余ったものが脂肪になる
脂肪が減るメカニズム
体に蓄積した脂肪はすぐに使うことができません。
蓄積した脂肪を使うためには、分解しなければならないからです。
脂肪を分解するには脂肪分解酵素(リパーゼ)を活性化しなければなりません。
さらに、その脂肪分解酵素を活性化させるためには、脂肪分解ホルモン(アドレナリン・ノルアドレナリン・成長ホルモンなど)が必要になります。
脂肪分解ホルモンは特定の状況で分泌されます。
それは、空腹時、睡眠中、そして筋トレなどの運動をした時です。
したがって、間食を減らし、しっかり睡眠を取り、筋トレなどの運動をして脂肪分解ホルモンを分泌させて、脂肪分解酵素を活性化させ、脂肪を分解する。
そうして、やっと脂肪が使える状態になるわけです。
分解された脂肪は基礎代謝や運動などによって消費されます。
このステップをまとめると以下の通り。
1.脂肪分解ホルモンを分泌させる
2,脂肪分解酵素が活性化する
3.脂肪が分解される
4.基礎代謝や運動などで消費される
太ったり痩せたりするメカニズム
脂肪が増えたり減ったりするメカニズムを理解したうえで、次に太ったり痩せたりするメカニズムを説明します。
「太る時は脂肪が減らずに増え続けている」
「痩せる時は脂肪が増えずに減り続けている」
このように理解してしまうかもしれません。
しかし、実際は「脂肪が増える」と「脂肪が減る」が同時に起きています。
どちらかのスピードが上回った時に太ったり痩せたりしているのです。
脂肪が減るスピードよりも増えるスピードが上回った時=太る
脂肪が増えるスピードよりも減るスピードが上回った時=痩せる
脂肪が減るスピードと増えるスピードが同じ=維持
脂肪が落ちやすい部位と落ちにくい部位
それでは、どこから脂肪が落ちていくのか、どこの脂肪が落ちやすい(または落ちにくい)のかを3つのポイントに分けて解説します。
3つの脂肪
私たちの体に蓄積している脂肪には肝臓脂肪、内蔵脂肪、皮下脂肪の3つがあります。
簡単に説明すると、肝臓に蓄積する脂肪が肝臓脂肪、内蔵のまわりに蓄積してつまめない脂肪が内臓脂肪、皮膚の下に蓄積してつまめる脂肪が皮下脂肪です。
肝臓脂肪と内臓脂肪は比較的落ちやすく、皮下脂肪は落ちにくいという特徴があります。
これは、脂肪分解酵素が肝臓脂肪や内臓脂肪に届きやすく、皮下脂肪に届きにくいからです。
つまり、肝臓脂肪や内蔵脂肪が多い「ぽっこりお腹」は落ちやすく、皮下脂肪が多いお腹・お尻・太もものつまめる脂肪は落ちにくいと言えます。
一般的に、男性は肝臓脂肪や内臓脂肪に蓄積されやすく、女性ホルモンの作用で女性は皮下脂肪が蓄積されやすいとされています。
しかし、女性も更年期以降は肝臓脂肪や内臓脂肪が蓄積されやすくなります。
ふくらはぎから落ちる?
ネットで検索すると、「ふくらはぎ→二の腕・肩まわり→太もも→お腹→お尻」の順番で痩せていくという内容を多く見かけます。
これには、私は同意できません。
これまで多くの女性のダイエットサポートをした経験から、このような順番で痩せていくとは思えないからです。
まず大前提として、ダイエットをすると脂肪は全身から少しずつ落ちていきます。
そのうえで、前述した通り肝臓脂肪や内臓脂肪の方が落ちやすいので、それらが多い人はお腹まわりから落ちているように見えます。
一方、皮下脂肪が多い人であってもお腹やお尻の脂肪は減っているのですが、もともと脂肪が少ないふくらはぎなどの変化がわかりやすく、ふくらはぎから順番に脂肪が落ちているように感じるのではないかと思います。
血行が良い部位と悪い部位
血行が良い部位と悪い部位では脂肪の落ちやすさが変わります。
脂肪分解酵素は血管を通って運ばれるため、血行の悪い部分にはそれらが届きにくくなってしまうからです。
お腹やお尻、太ももなどは血行が悪くなりやすく、他の部位と比べて脂肪が落ちづらい原因になっていることもがあります。
血行の悪い部位は、トレーニングやお風呂などで血行を改善すると脂肪が落ちやすくなることがあります。
もちろん、いくら血行を改善しても脂肪分解酵素が活性化していなければ、あまり効果はありません。
部分痩せはできる?
気になる部位の脂肪だけ落とすことはできるのでしょうか?
お腹の脂肪を落とすために腹筋トレーニングをする。
二の腕の脂肪を落とすためにダンベルで二の腕のトレーニングをする。
果たして、その効果は?
残念ながら、それは難しいです。
トレーニングした部位の筋肉量が増えることはあっても、脂肪が落ちることはほとんどありません。
ただし、その部位の血行が悪く、トレーニングによって改善できれば、脂肪が落ちやすくなる可能性はあります。
また、トレーニングのやり方によっては、引き締まって見えることはあります。(実際の脂肪は減っていない)
まとめ
いかがだったでしょうか。
イメージと違った内容もあったかもしれませんね。
脂肪の落ちやすい部位、脂肪の落ちにくい部位を理解したうえでダイエットすれば、より効果がイメージしやすいと思います。
理想の体型をめざしてダイエット頑張ってください!
この記事を書いた人
- 指導歴19年。
これまで延べ4万人以上を指導した経験をもとに、週1回のトレーニングで結果を出す独自のダイエットプログラムを開発。
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