「カロリーは関係ない」は嘘?専門家が語る真実

ダイエットの専門家であっても、ダイエットおにいて「カロリーは関係ある」と言う人と「カロリーは関係ない」と言う人がいます。

「結局どっちなの?」

その疑問にダイエット専門家の立場から答えていきます。

ダイエットにカロリーは関係ない?

先に結論を言うと、多くの人にとってカロリーは関係ないかもしれません。

しかし、一部の人にとっては全く関係ないわけではありません。

「えっ、じゃあ関係ないは嘘ってこと?う〜ん、よくわからんなー」と眉間にシワを寄せているのが見えます。

怒らないでください…ちゃんと説明します。

BMI25以上ならカロリー計算が役立つ

BMI1をご存知でしょうか?

Body Mass Indexの頭文字をとってBMI。

肥満や低体重(やせ)の判定に用いる計算です。

計算式は以下の通り。

BMI=[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]

例>体重60kg、身長165cmの人の場合
60÷(1.65×1.65)=22

日本肥満学会の定めた基準では、これを以下のように分類しています。

BMI(kg/m2)判定
18.5未満低体重
18.5以上〜25未満普通体重
25以上〜30未満肥満(1度)
30以上〜35未満肥満(2度)
35以上〜40未満肥満(3度)
40以上肥満(4度)
日本肥満学会 肥満度分類より2

この中のBMI25以上に人には、カロリー計算が役立つはずです。

なぜなら、BMI25以上の人は普段から食べ過ぎている傾向があるから。

そのような人がダイエットを始めるなら、運動よりも食事を改善した方が効果的で、その際に単純にカロリー計算をして食事量を抑えるだけで体重が減少していくはずです。

BMI25未満の人は関係ないかも

一方でBMI25未満の人は、カロリーが関係ないかもしれません。

なぜなら、普段の食事量が多過ぎるというケースが少ないからです。

普段から食べ過ぎていたとしたら、既にBMI25を超えていると思います。

(今まさに体重が成長中の人は除く)

1日にどれくらい食べていいの?

カロリー計算が役立つ人も、カロリーが関係ない人も、1日にどれくらいなら食べていいのか気になるかもしれません。

そこで、実際に計算してみましょう。

色々な計算方法がありますが、年齢と体重で分かる計算方法をご紹介します。

性別男性女性
身体活動レベル低いふつう高い低いふつう高い
18~29(歳)35.541.547.433.238.744.2
30~49(歳)33.739.344.932.938.443.9
50~64(歳)32.738.243.631.136.241.4
65~74(歳)31.336.742.130.035.240.4
75以上(歳)30.135.529.034.2
体重当たりの推定エネルギー必要量(日本人の食事摂取基準2020 年版より)3

上の表を見ながら、体重に年齢別の値を掛けてみてください。

身体活動レベルは「ふつう」でOKです。

1日の推定エネルギー必要量=体重×自分の年齢「ふつう」の値

例>45歳女性で体重60kgの人の場合
60×38.4=2,304kcal

それがあなたが1日に必要な推定エネルギー必要量です。

つまり、1日に食べても太らない食事量。

ダイエットするなら差し引く

この計算は今の体重を維持するために必要なカロリーなので、ダイエットするなら減量分のカロリーを差し引く必要があります。

体脂肪は1kgあたり約7,200kcalなので、1ヶ月で1kgの体脂肪を食事だけで減らしたい場合は、1日240kcalを差し引きます。

食事で120kcal差し引いて、残りを運動で消費するのもありですね。

ただし、極端に制限すると代謝が低下したりリバウンドのリスクが高くなったりするので注意が必要です。

細かく計算する必要はない

とは言えBMI25以上の人にとって、あくまでもカロリーは目安。

だから、細かく1桁単位まで計算する必要はありません。

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たとえば、上記の方法で1日の消費カロリーを計算して食事量を決めたとします。

でも、実際にそのカロリーを消費しているのかは分かりません。

食事のカロリー計算だって、食べ物のカロリーを正確に把握することは不可能。

仮に正確に把握できたたとしても、それらが全て体に吸収されているとは限らないのです。

吸収できる量には、ものすごく個人差があるから。

 

繰り返しますが、カロリーは目安。

大事なのは、その食事量で調整してみて体重や体が変化するかどうかです。

想定通りに変化していれば継続して、変わらなければ食事量や運動量を見直していく。

それだけ。

まとめ

BMI25以上の人にとっては、食事量を見直すためにカロリーが役に立つ場合があります。

しかし、それ以外の人にとっては関係ないかもしれません。

カロリーを計算するにしても、あくまでも目安であり、細かく計算する必要はなく、体重や体の変化を確認しながら食事量や運動量を調整することが大事です。

参考

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット BMI
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-002.html ↩︎
  2. 日本肥満学会 肥満度分類
    http://www.jasso.or.jp/data/magazine/pdf/chart_A.pdf ↩︎
  3. 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版)
    https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf ↩︎

この記事を書いた人

砂川 幸也(すながわ ゆきや)
砂川 幸也(すながわ ゆきや)パーソナルトレーナー
指導歴19年。
これまで延べ4万人以上を指導した経験をもとに、週1回のトレーニングで結果を出す独自のダイエットプログラムを開発。
詳しいプロフィール